兵庫県 オジマさま

兵庫県 オジマさま

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初盆には提灯を贈ると知ったのは、大人になってからのこと。

子どもの時、母方のおばあちゃんの初盆のために、提灯を選びに行きました。
クルクルとピンクやブルーに変わりながら影が映る提灯に、当時の私は心惹かれましたが、母はそういうのはちょっとねぇ・・・・と取り合ってくれませんでした。

母が選んだのは家紋入りの上から吊り下げるタイプのもの。
家紋の存在もその時初めて知りました。

田舎の古いつくりの家にはやっぱりとてもしっくりときて、今でもお盆に行くときちんと吊り下げてあります。

自分の家の家紋をすぐに答えられる人は今、どのくらいいるのでしょう。
語り継いでいかなくてはならないことが、たくさんたくさんあるのに、やっぱり自分も曖昧にしか知らないことが多くて、なんだか情けなくもあります。

母方の実家もだんだん縁遠くなりつつもあり、去年はお盆にいけませんでした。
きっと母が贈ったあの提灯も、代が変われば、もしかしたら物置に眠ったままになるのかもしれないのでしょうね。

灯りがともらないままの提灯が、年々増えていっているであろう日本に、ご先祖様たちはどう思っていらっしゃるのでしょうか。

 

山口県 ソネさま

山口県 ソネさま

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父の日によせて           

今年の6月15日は父の日であり、主人の61歳の誕生日でもありました。
子ども達が予約してくれたレストランに皆で食事に行きました。
何年か前まで無口で何も言わない主人はいつも怖いお父さんでした。
そんな主人も、もう61歳、髪は銀白になりました。
テレビを見ながら、一人で愚痴る事が多くなりました。

人は人生の中でいろいろな記念日があります。
その中で毎年やってくるのが誕生日です。
若い頃はそんなに感じなかった記念日が今年はなぜか強く心に感じるのは
父の日に重なったからでしょうか。
それとも、主人のまた一つ増えた眉間のしわのせいでしょうか。

そんな主人から子ども達へのお礼のメッセージ

「誕生日と、父の日が重なりめでたい一日でした
みんなが揃って美味しい食事も出来、大変良い思い出になりました。
自分では余り物事を深く考えないで歩んできた人生でしたが、みんなが一堂に集まって
話をしながらゆっくりとした時を過ごすのが、家族なんだと気づかされました。
仲の良い四人兄弟の親であることを誇りに思います。
これからもいろいろなことはあると思いますが、いつまでも兄弟仲良く歩んでください
本当に有難う」


「いつまでも、元気で、明るい優しいお父さんでいてください。」
子ども達から、お礼への返信が届いたのはあくる日の事でした。

 

広島県 ホソイさま

広島県 ホソイさま

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5年前、夫婦最初の共同作業ということで、バラの鉢植えのセレモニーを人前式の中で行いました。
施設のロビーに会場があったため、宿泊客、通行人の方々にも見られ、恥ずかしくもありましたが、バラの街ならではの行事で、大変良い思い出になりました。

その時植えたバラはシンボルツリーとして、一昨年新築した家のポストの脇に植え替えました。

先日のこと、子供達を庭で遊ばせていた時、少し目を離した隙に長男が玄関のポーチから転落してしまいました。とっさのことで手を差し伸べる事もできず、あわてて落ちた場所に駆け寄ったところ、なんとそのバラの上に長男が引っかかって止まっていました。バラは半分以上折れながらも、クッションになり長男を助けてくれたのです。

鉢植えの時使った土は両家の庭から持ってきたものでしたので、きっと両家のご先祖さまが長男を守ってくれたのだろう、と妻と話しました。

バラはその後、新しい芽が出てきて、今も家族を静かに見守ってくれています。

 

奈良県 カキモトさま

奈良県 カキモトさま

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77歳の父の喜寿のお祝いに、子どもと孫と大集合した場所は瀬戸内にある小さな島の小さなホテル。

昭和一ケタ生まれの父ですが、フルコースとワインが好きだなんていう、あの時代にしてはダンディーで優しくて、子どもの頃はもちろん今でも自慢の父。

なので、今回のお祝いでは、フルコースを食べさせてくれて、みんな子連れなので他の人がざわざわあまりいなくて、広めの泊まれる部屋があるところ、と探し当てたのが因島にあるこの「ナティーク城山」でした。


プレゼントを誰が渡そうかと悩みに悩み、ホテルの人にお願いして紅白のワインをかごに入れてもらい、長いリボンもつけてもらって、一番年上の高校生がかごを持ち、あとは歳の順にリボンを持ち、孫6人全員で渡しました。

父の嬉しそうなその姿。

照れくさそうな大きな孫に、はしゃいでばかりの小さな孫。

でもその命が確かに繋がっていることを改めて感じた瞬間でした。

本当に穏やかで優しい、家族だけの時間でした。


チェックアウトのとき、ホテルの方が
「これは昨日のワインのラベルです。毎年増えていくといいですね。」
と、きれいにラベルを貼ったアルバムを渡してくださいました。

姉と思わず顔を見合わせたことは、言うまでもありません。

流れるばかりの日常に、やっぱりこんな一節一節がありながら、年月を重ね、深みを増しながら、歴史が出来ていくのでしょうね。

ワインとなんだか似ているわ、なんて今更気が付いてみたりしています。